鹿王院の宿坊体験を紹介 歴史と伝統あるお寺に「泊まる」という贅沢を楽しむ

2018.10.26 Fri

京都産業観光局観光MICE推進局の平成28年京都観光調査によると、京都の観光消費額は1兆862億円(前年比11.9%増)、宿泊客数は過去最高の1,415万人(前年比3.9%増)を記録しています。

 

京都はここ数年、稀に見るホテル建設ラッシュが続いているそうですが、それでも宿が見つからず泊まれない…という声を多く聞きます。

 

そんななか、人気が高まっているのがお寺に泊まり、僧の生活や修行を体験したり、精進料理を楽しんだりという付加価値のある「宿坊」です。

 

今回はそんな「宿坊」のなかでも、約50年前から宿坊をはじめ、女性限定という「鹿王院(ろくおういん)」さんに注目!

取材に行ってきました。

鹿王院ってどんなお寺?

「鹿王院」とは、足利3代将軍である足利義満が、康歴(こうりゃく)元年(1379年)に建立を命じ、当時の南禅寺住職であった春屋妙葩(しゅんおくみょう)を開山としてその翌年に完成したという、歴史ある禅寺です。

 

京都の観光地で有名な嵐山・渡月橋から東へ500メートルほどのところにあります。

今回は嵐山駅の喧騒を避け、閑静な京福電車の鹿王院駅から伺うことにしました。

 

鹿王院駅

京福電車の鹿王院駅。情緒漂う雰囲気でこれが「昭和感?」

 

鹿王院

 

駅には鹿王院はこちらという看板があるので、その矢印の方向に進みます。

2~3分程度歩くと、「鹿王院」と書かれた看板がありました!

ここから1分。あともう少しだ。

 

看板が貼り付けてあったお地蔵さまに感謝しながら、そのまま矢印の方向に進んでいきます。

 

鹿王院

 

「鹿王院どこ?」と思ってはいけません。

これが鹿王院の総門なのです。由緒正しい、荘厳な雰囲気を漂わせています。

 

鹿王院

 

門を入ると、寺へと続く直線的な参道、深緑の苔の絨毯、青々としたもみじ。絵のような美しさが広がっています。

 

庭園は日本最初の平庭式の枯山水庭園といわれており、京都市指定名勝にも選ばれています。

 

鹿王院

 

こちらが本庭です。宿坊はこの本庭に面した客殿で行われ、女性のみ利用可能です。

う~ん、なんで女性だけなんだろう。私も泊まりたい!(筆者は男性です・笑)。

宿坊体験ができるお部屋を詳しく紹介

先ほどひっそりお伝えしてますが、実は取材に行っている私は男性です。

本来なら女性しか入れない客室に、今回特別に入らせていただきました!

 

鹿王院 部屋

 

とてもシンプルな和室です。テレビや冷暖房設備もありません。

 

鹿王院 部屋

 

しかし、奥のふすまを開けると庭が一望!なんて贅沢。

 

鹿王院

 

客室からの眺めもお見事!

今回、取材に行ったのは紅葉のシーズンにはまだ早かったのですが、それでも情緒ある庭園の雰囲気に心が癒されます。

 

紅葉のシーズンには、この青々とした木々が朱色に染まって、それは見事なのだそう。

住職の奥様 吹田陽子さんに聞く! 鹿王院の宿坊の楽しみ方

「お寺での宿泊」「僧侶体験」と聞いたとき、なんとなく男性僧侶の修行の一端を体験するという印象が強く、「女性向けではないのでは?」と思っていました。

 

しかし今回、女性限定の宿坊ということで、鹿王院さんにぜひ詳しいお話をお伺いしたいと取材を申し込みました。

 

当日は住職の奥様である吹田さんにお話を伺いました。

 

――取材を受けていただきありがとうございます!

早速なのですが、宿坊を始めたきっかけから教えていただけますか?

 

鹿王院 吹田さん

笑顔が素敵な奥様の吹田さん

 

吹田:先代から聞いた話なのですが、大阪万博って昔にありましたでしょ。

その開催の数年前から、京都市に「京都に来た観光客に、坐禅体験と宿泊体験をさせてほしい」と頼まれたのがきっかけなんだそうですよ。

 

それこそ、日本の方はもちろん、外国からのお客様も泊めてほしいって頼まれたそうです。

 

――大阪万博というと(1970年だから…)、約50年前からですか(驚)。

しかも京都市に頼まれたのがきっかけだったなんて、ちょっと面白い始まり方ですね。

女性限定にしたのもそのときですか?

 

吹田:最初は男女とも泊まれたそうですけど、大阪万博開催の年かしら。

 

人は増えていくし、見知らぬ男女がふすま1枚だけ隔てたお部屋に泊まるのも心配だろうしね。

だって、お風呂にしても着替えにしても、パッと間違えて開けられちゃったりしたらイヤでしょう?

 

しばらくして、男性を受けいれている宿坊は他にもあるしってことで、女性限定にしたそうですよ。

 

鹿王院 吹田さん

 

――宿坊を利用される方の年齢層はどれくらいですか?

 

吹田:季節によって異なりますね~。

例えば、春休みとか夏休みはなんかの大きな休みの時には、若い学生さんとかが多くいらっしゃいます。

 

紅葉の季節は、年配の方とかアラフォーの方とか(笑)。

年齢層は本当に幅広いんですよ。

 

――海外の方も来られるんですか?

 

吹田:アメリカのマサチューセッツから、先生と生徒さんが15~16年前から毎年いらしてくださいますね。

あとは、最近ではアジア系の方がネットなんかで調べてこられたりすることが多いです。

 

全く日本語はできない方は、私がお話できないので本当に申し訳ないのですがお断りさせていただいてますけど、片言でもお話できれば、どこの国の方でもお引き受けさせていただいているんですよ。

 

――最大何名まで受け入れてもらえるんでしょう?

 

吹田:一度にお泊りいただけるのは、30人くらいまでかしら。

あんまりウァ~っと来られてしまうと、なかなか対応できなかったりしますから(笑)。

 

鹿王院 吹田さん

 

吹田:今度の11月にも、某大学の交換留学生の方々が30人ぐらい、お寺に泊まられ、お寺をゆっくり体験したいって早くから申し込まれてました。

 

出来る範囲で、なるべくお断りしない形でやっていきたいと思っているんですよ。

 

――実は、朝ごはんが美味しくて何度も泊まっているという口コミを見たのですが、宿坊体験の最大の魅力って、奥様はどう思いますか?

 

吹田:うふふ、朝食は私が作っているので、美味しいと喜んでもらえたら本当にうれしいですね。

 

朝からお肉もお魚も抜きの精進料理で、昔からある簡単な和食なんですけど、そういうのを楽しんでもらってね。

毎日の生活の中、会社に行ったり学校に行ったりという中で、落ち着いて昔の文化をちょっと感じるというところも、忙しい今の人たちには魅力に感じてもらえてるのかもしれないです。

 

あとは、坐禅ね。

せっかく京都に来ているのだから、人の多い人気の場所を楽しむのも良いですけど、30分とか40分とかのちょっとした短い時間で、日ごろのことを忘れて静かに自分を振り返る。そういうのも良いかなぁって思っているんですよ。

 

日常から離れて、今なら青もみじの清々しさを楽しんでもらって。

6月には沙羅双樹が咲きますし、秋にはもみじが色づきますし。

季節の移り変わりを心静かに楽しむというのが、鹿王院の宿坊の魅力かなぁって思っていますね。

 

鹿王院 取材

宿坊に泊まれない右の男性の取材姿です。なんともいえない...(笑)

 

――宿坊に泊まる際のスケジュールは?

 

吹田:夜は、19時30分に閉門しますから、その時までに来てくださって、宿帳に記入などをしていただければと思います。

 

夏場は6時30分から坐禅が30分あって、それから朝食です。

もうそれだけなので、あとは嵐山の渡月橋を観に行ったり、うちのお庭を楽しんでもらったりと、自由に過ごしていただいてますよ。

 

――あぁ、本当に男であることが残念。泊まって宿坊体験してみたかったです!

今日は本当にありがとうございました。

 

鹿王院 吹田さん

笑顔が素敵な吹田さん。お孫さんとも睦まじい姿を見るだけでこちらも幸せをもらいます(笑)

 

【鹿王院(ろくおういん)】

住所

〒616-8367

京都市右京区嵯峨北堀町24

電話番号

075-861-1645

アクセス

JR「嵯峨嵐山」徒歩5分

京福嵐山線「鹿王院」徒歩3分

市バス・京都バス「下嵯峨」徒歩3分

宿坊料金

4,500円(1名・朝食付き)

拝観・開館時間

9時~17時

見学所要時間

約30分

拝観料金

大人:400円 小・中学生:200円

備考

シーズンによっては1人の場合、他の方との相部屋となることもあります。

まとめ

住宅街のなかにひっそりと佇む「鹿王院」。

荘厳な門をくぐると、凛とした緊張感、清涼な空気を感じることができます。

 

お寺に泊まるという発想がなかった私には、昔からある「宿坊」というシステムがとても新しいことのように感じ、人生における視野が広がった気がします。

 

宿坊の良さは、忙しい日常を忘れて非日常の気分を味わえ日々の疲れを癒せることだとおっしゃっていたことが非常に印象的です。忙しい時こそ、時間を作ってぜひ足を運んでいただけたらと思いました。

 

鹿王院インフォメーション

 

11月23日から12月9日までの期間、なんとライトアップを実施!

 

通常なら17時00分には閉門してしまいますが、この期間は19時30分までライトに照らされた幻想的な庭園を堪能することができます。

 

 

事前申込み&人数限定の特別公開なので、ゆったりと紅葉や舎利殿のライトアップを見たい方はお楽しみいただけますよ。

興味ある方はぜひ行ってみてください!

この記事を書いた人: 京トーク編集部
京トーク編集部です。 大好きな京都で生活をし、京都に住んでいる人や京都を訪れる人に、もっと京都を楽しんでほしい!と思い、日々記事を更新。 チームの仲間たちと共に京都の魅力を発信していきます!

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