知っているのと知っていないのでは大違い!源光庵の豆知識

更新日:2019.01.07 Mon

 

皆さん、「源光庵」と聞いて何を思い浮かべることが多いでしょうか。

「○と□の窓」それとも「血天井」? まさか何も思い浮かばないなんてことはないですよね?

(冗談です)

 

「源光庵」のことを知っている方でも、知らない方でも楽しんでいただけるように、今回の記事では、「源光庵」の有名な観光名所の紹介だけでなく、豆知識もたっぷりと盛り込みました。

ぜひ最後まで読んでくださいね.

 

源光庵について

 

源光庵は1346年(貞和2年)に建設された曹洞宗のお寺です。

京都の北区に位置しており、観光の見所としては「窓」と「血天井」が有名です。

また、JR東海の「そうだ、京都に行こう」のイメージポスターとして使用されていたこともある観光寺院になります(2014年度)。

「迷いの窓」「悟りの窓」

 

こちらは源光庵の一つ目の見所である「窓」です。

皆さん一度は見たことがあるのではありませんか?

実はこの〇と□の窓にはそれぞれ見方と意味があります。

 

①窓の見方

2つの窓には見方があります。まず「迷いの窓」である四角い窓の前に座ります。

「迷いの窓」は“自身を返り見る“ためにあるそうです。

生まれてこれまでを振り返り、懺悔する窓です。

四角い窓の前で、これまでを省みられた方は「悟りの窓」と言われる丸い窓の前に座ってください。

「悟りの窓」は、自分自身を見直す窓です。

生かされていることに感謝したり、感謝すべきことを見つける窓になります。

 

②窓のかたち、〇と□の意味

どうして窓の形が〇と□なのか気になりますよね。

 

 

「悟りの窓」が丸い形をしている理由は、禅を究極の形が丸だからです。

 

いっぽう、「迷いの窓」が四角である理由は、「四苦八苦」という言葉が関係しています。

生まれること・老いること・病むこと・死ぬこと の四つの人間の根本的な苦しみと、愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五陰盛苦の四つの苦しみを表しているそうです。

 

いかがでしょうか。「知って見る」のと「知らずに見る」とでは全く印象も違うと思います。

当時の壮絶さを語る血天井

 

こちらの「血天井」もとても有名です。しかし皆さん、いつ頃のものか分かりますか。

①1200年ごろ  ②1600年ごろ  ③600年ごろ

さて、何番が正解でしょう?

ここで血天井のおさらいをしたいと思います。

 

①血天井とは

血天井は1600年に起こった、伏見城の戦いによってできました。

徳川家康の家臣であった鳥居元忠らが城を守っていましたが、石田三成派の軍に攻められ、自刃したそうです。

その時の床跡が供養のために、お寺の天井となり、血天井と言われるようになりました。

つまり正解は②ですね。

 

血天井が源光庵に運ばれた理由はご存知でしょうか?

下の写真にヒントが隠されています。

 

 

気づいた方は歴史通。徳川の葵紋があるのがわかりますか?

住職さん曰く、血天井は徳川側の武将を供養するために源光庵に持って来られたそうです。

本堂では、徳川家康の代わりに城を守った、鳥居元忠一党の位牌を安置されています。

 

血天井の迫力はとてもすごかったです。

「自分もこの時代に生まれていたらどうなっていたのだろう…」、「壮絶な戦いだったのだな…」と考えさせられました。

 

 

座禅と法話の体験

源光庵では座禅と法話の体験を行っています。

体験では世間話や宗教におけるお話を伺えるそうです。

なぜ座禅をするのか、座禅をすることで何を得られるのか、どう生かせるか、を学ぶことができます。

 

申し込み方法は電話になります。

TEL:075-492-1858

開催日:毎月第一日曜(7:00am ~ 9:00am)

*お寺の状況によっては第一日曜日に開催できないこともありますので、必ずお電話で申し込みをして、状況を確認してください!

 

実際に体験された方の感想は…

「足がしびれていたかった(笑)」

という感想もありましたが、

「気持ちが落ち着いた」

「無の境地になれた」

と体験を通して何か得るものがあったんだろうなと思わせる感想も聞くことができました。

普段の生活では経験できないような感覚を味わうことができそうです。

 

源光庵おすすめ季節 

源光庵を訪れるのにおすすめの季節はずばり秋!11月です。

京都と言えば桜や紅葉と、趣深い景色をたくさん見ることができます。

源光庵も素晴らしい景色を見ることができるお寺の1つです。

特に「迷いの窓」「悟りの窓」から見える景色は、紅葉がとてもきれいで絶景。

この秋は源光庵で紅葉狩りなんていかがでしょうか。

 

ちなみに、私のおススメは新緑のもみじを見ることができる夏の季節です。

紅葉が注目されがちのもみじですが、夏の緑色に染まったも青みじも見応えがあります。

また一味違った源光庵を楽しむことができますよ。

 

住職さんのご紹介 ー江戸時代中期から続くルーツを持つ鷹峰住職ー

今回は源光庵の住職さんである鷹峰(たかみね)さんにお話をお伺いさせていただきました。

源光庵がある土地の名前、「鷹峯(たかがみね)」と住職さんのお名前の「鷹峰」の関係性が気になり、質問をさせて頂いたところ…

なんと!

鷹峰さんは先祖代々江戸時代中期から続く、源光庵の第16代目の住職さんだったのです!

 

 

江戸時代中期から16代…。とてもすごいですね。

今回の源光庵の記事を書くにあたりお世話になった鷹峰住職さんからのお知らせが2つあります。

 

20196月からお寺の修理が始まります

修理が始まると最長で2年、最短で1年は拝観ができなくなります。

 「迷いの窓」「悟りの窓」を見たい方はお早めに!

 

②お寺には結界があります

これは椅子ではありません、結界です。

もし間違って腰かけている人を見かけたら声をかけてあげてください。

源光庵までの行き方

源光庵は京都の北に位置しています。

住所

           京都府京都市北区鷹峯北鷹峯町47

電話番号

           075-492-1858

 

源光庵への行き方はいくつかありますので、京都駅から源光庵へ行く方法を3つご紹介します。

 

秋色に色づいた京都を感じるなら、市バスでゆっくりと源光庵に向かうのもおすすめです。

「6号系統 佛教大学・玄琢行き」なら乗り換えなし40分くらいで到着します。

ただし、平日は9時~13時台に合計8本、土日は10時~12時台に合計5本しか運行していないのでご注意を。

 

まとめ

 

皆さん源光庵について詳しくなれましたか? 

窓の一つ一つに意味があるなんて趣深いですね。

血天井も由来を知ってから見上げると、また迫力が違って見えるはずです(私はそうでした)。

観光寺に行くと、写真を撮ってしまいたい気持ちはすごく分かります。

ですが、せっかく訪れたのであれば、一度手を合わして拝んでみるのもいいですよね。

今回の記事で、源光庵についてマスターできたと思いますので、訪れた際はまず「迷いの窓」、「悟りの窓」の前で坐禅をしてみてください。

そして血天井を見上げ、当時の壮絶さを体感してみてください。

この記事を書いた人: 水玉
【みずたま】お寺が好きな寺女ライター。 食べ物はパスタのジェノベーゼが好き。 趣味は寝ること。 粘り強さが武器で、多少のことでは折れない強靭なハートの持ち主。

コメントする

※コメントは京トーク編集部にて確認後、公開いたします。
※お名前は未入力でもOKです。お気軽にコメント下さい!

この記事をみた人は、こんな記事もみています