京都発インストバンドのjizue片木希依さんを単独インタビュー
京都発のインストゥルメンタル・バンド「jizue(ジズー)」は、国内はもちろん、インドネシアやカナダ、中国など海外からのオファーも絶えません。
今回、jizueのメンバーであり、ピアノ担当の片木希依さんが京都出身ということで、なんと京トークに登場してくれることに!
片木さんは今も京都市内にお住まいであり、活動の拠点を京都に置いています。
バンドやソロでのお話から、片木さんが考える京都の魅力についてもお話を聞いてきました。
ピアノ少女がバンドメンバーになるまでの学生時代
――片木さんはjizue ではピアノを担当していらっしゃいますが、小さい頃から音楽が好きだったんですか?
そうですね。母が保育士で家にピアノがあったのを遊びで弾き始めたのがきっかけで、4歳でピアノを習い始めました。
高校は京都市立音楽学校(現在は京都府立京都堀川音楽高等学校)でピアノ科を専攻して「のだめカンタービレ」みたいな、音楽が中心の学校生活を送っていました。
――リアルのだめちゃんがココに(驚)!周りのお友達も、もちろんみなさん音楽漬けな感じですか?
クラシック音楽を愛してやまない友人がたくさんいる環境だったので、すごく刺激的な高校生活でしたが、私自身はクラシック一筋というわけではなくて、ブラックミュージックやロック、現代音楽など、様々なジャンルの音楽を好きでよく聴いていたんです。
なので大学では、クラシックに限らず幅広く音楽の出来る環境に進みたいと思い、音大ではない、音楽を勉強できる学校への進学を決めました。
――大学ではどんな音楽の勉強を?
同志社女子大学音楽学科の「コンピューター音楽コース」というところで、PC音楽ソフトを使っての作曲やプログラミングの勉強、映像をリンクさせたインスタレーション作品の制作をしていました。
――音楽ソフトで曲の制作なんて、ホントにイマドキって感じがします。でも、今はプレーヤーというか、制作よりピアノを弾いての音楽活動がメインですよね?
大学で音楽制作をたくさんしていくうちに、私は音楽を作るよりも演奏する、弾いてそこに気持ちを乗せる方が好きだし、得意なのかなという思いが湧いてきて。
大学生の時、東山三条にあるブリティッシュパブでピアノを弾くアルバイトをして、そこにはいろんな国の人が来ていて、言葉は通じないけど私の演奏する音楽でみんなと繋がれるってすごい楽しい!という経験を何度もしたのも、演奏が好きだと思う気持ちを膨らませてくれた一つです。
それでやっぱり、演奏することで人に何かを伝えることが出来たらいいなという気持ちが高まってきていた時に、jizueのメンバーに出会いました。
当時は、ボーカルが抜けて、新しくボーカルを入れるのではなく、インストでやっていくという方向性になっていたんです。
共通の友人を介して出会い、まずは一緒にスタジオに入ろうということになったのですが、それまで私はほぼ一人で演奏してきたので、自分の音とメンバーの音が重なった音の圧やエネルギーが溢れる感じに本当に感動して、気持ちよかったのを覚えています。
――すごい…まさにナイスタイミング!
いつでも音楽が生活の中心にある人生を
――そこからずっとjizueのメンバーとして活動されているわけですね。
改めてメンバーにって誘われたわけじゃないので、いつの間にかメンバーになっていたという感じなんですけどね(笑)。
jizueのメンバーと一緒に音楽をしていたら、絶対楽しいことが起こるし凄いことができそうという予感がしたので、一緒に活動することに迷いはなかったです。
――人生を選択するとき、必ず音楽が生活の中心にあるって、すごく素敵ですよね!
私の人生の方向を悩むタイミングには、いつもターニングポイントになるような人との出会いがあって。
jizueの活動を生活の中心に置きたい気持ちはあったのですが、当時はjizueがきちんと仕事にはなっていなかったので、何か他に生活をしていく基盤になる仕事を見つけないとと思っていて。
そんな時、たまたま自分が子どもの頃にピアノでお世話になった恩師に街で再会したんです。
今何してるの?という話から、音楽の世界で生きていきたいという想いを伝えたら、ピアノの先生はどう?と声をかけてもらいました。
感覚を磨いてくれた祇園のバーでの素敵な出会い
その後先生を一度辞めて、演奏の仕事を探していた時、祇園のピアノバーを紹介してもらったんです。
そのお店は決まった曲を弾くわけじゃないんです。
ある意味、選曲は演奏者に任されているので、お客様の年齢層や着ているお洋服から、この方はきっとこんなアーティストが好きだろうな…とか、こんな音楽が好きなんだ…という勉強をさせてもらいました。
――す、すごい!人の雰囲気から好きな音楽を汲み取るなんてそんなに簡単に習得できることではないですよね。
そのお店の常連さんはみなさん、人生経験も豊富で音楽にも詳しくて。その中のおひとりに、大きな会社の会長さんがいたんですけど。
「夢は持っているけど、お金が無かったり時間が無かったりして上手くいかない若者に対して、背中を押せるような役割を持った大人がもっといるべきや!」って、私みたいな若手の演奏者を応援してくれるとても粋な方がいらっしゃったんです。
その方の別荘を貸してもらい、jizueの制作合宿をさせてもらったこともあるんですよ。
もちろん、その方以外にも、私たちの背中を押してくれる方たちとの出会いはたくさんありました。
曲作りにも活かされる京都の魅力とは
――そんな素敵な出会いが京都にはたくさん詰まっていると思うのですが、今はもうjizueでメジャーデビューもされて、海外進出までされているじゃないですか?東京に行こう!とかは考えなかったんですか?
今はネットを使って音楽配信が出来る時代になって、どこにいても自分たちの音楽を発信できるので、東京に行かなきゃ音楽活動はできないって思わなくて良いのかなという想いもあって。
それに、京都という街の空気感が自分たちの作品には欠かせないものなので。
――京都にずっと住まれていますが、片木さんにとって京都はどんな街でしょうか?
京都は、歴史のある場所がたくさんあると同時に、学生の街とも言われるほどたくさん大学があって、昔から京都独自の音楽シーンが根付いているんです。
また、伝統工芸に携る方や、こだわりを持った職人の方がたくさん暮らしている街だと思います。
実は私の父が金箔職人で、それを兄も継いでいたり、母方の実家は和菓子屋をしていたりと、身近な家族や一緒に働く職人さんたちが、伝統を受け継ぎつつ、でも時代に合わせてどんどん面白い形に変化させて文化を伝えようとしている姿を目の当たりにできるのは、京都だからこその面白さがあると思うんですよね。
そこが私にとっての、京都の街と人の最大の魅力かなと思います。
自分が暮らしている場所の世界観って、すごく音楽に反映されるように思います。
他のメンバーは滋賀県出身なのですが、日本らしい自然を感じられる曲や、どこか懐かしい田舎の風景が見えるような曲もあったりします。
京都から世界へ広がる活動の輪
――国内での活動に留まらず、カナダや中国などで海外公演も行われていますよね。それは自分たちから海外に進出したんですか?
ずっと海外に行きたい気持ちはありましたけど、海外には呼んでくださったらどこでも行く!というスタンスでいます(笑)。
インドネシアで開催されたジャズフェスティバルに参加したきっかけは、YouTubeで、主催者の方が私たちの曲を聞いてくれて、オファーが来たからなんですよ。
YouTubeをきっかけに世界と繋がれるって、すごい時代ですよね。
――海外と日本で公演での違いはあるんでしょうか?
jizueは言葉がないインストゥルメンタル・バンドですから、共有する部分が歌詞ではなく音楽に絞られるので、ひとつになれる部分が大きいと実感してます。
海外では、演奏しているときに自分たちが楽器から発したエネルギーをお客さんが受け取ってくれて、またお客さんからもエネルギーを出してくれる、そういうエネルギーの共有も感じますね。
――jizueの音楽からは、とても日本人らしさを感じるんです。なにか日本的なこととか、jizueらしさみたいなものを意識していたりするんですか?
私たちの曲には、変拍子のトリッキーな部分と、ちゃんとみんながリズムに乗れる拍子になっているサビの美しいメロディー部分があることが多いんです。
トリッキーなひりひりする感じと、サビのメロディーの美しさとか安心する部分の楽曲の中のバランスは、曲作りをしていくときにすごく話し合いますね。
その絶妙なバランス感覚がjizueの強みだと思っています。
――片木さんはjizueから離れて、ソロでも活動されていますよね。ソロはjizueとは違った優しい雰囲気を感じるのですが、それは意識していることなんですか?
ソロ活動の時には、色が見えるような音楽や、同世代の女性に伝わる優しい音楽を作りたいっていうのがコンセプトです。
jizueの時には、4人のエネルギーが合わさる力強さや男臭さみたいなものがあると思うんですよね。
ソロのときは普段のバンドでは出せない女性らしさが出ていると思います。
すごく意識して切り替えているわけではないんですけど、その違いも楽しんでもらえたらいいなって思ってます。
――最後に今後の展望を教えてください!
19歳の時にjizueに加わって14年なんですが、まだまだ面白いことが出来ると思うので、これからも新しいことにチャレンジしながらjizueらしい音楽を届け続けられたらと思っています。
そして、その曲たちを持っていろんな場所に出会いに行きたいです。
国内だけでなく、アメリカやヨーロッパでもライブやツアーをやってみたいなと思っています。
――ありがとうございました!これからも応援してます!
ありがとうございます。是非ライブにも音のエネルギーを体感しに来てください。
この記事を書いた人: 京トーク編集部
京トーク編集部です。
大好きな京都で生活をし、京都に住んでいる人や京都を訪れる人に、もっと京都を楽しんでほしい!と思い、日々記事を更新。
チームの仲間たちと共に京都の魅力を発信していきます!
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