京都が誇る“はかりのイシダ”は世の中の「食の安全・安心」も担っていた!
かつて、京トークの会議中に柿の種を食べていた紅姫と黒兵衛。
黒兵衛の方が柿の種多くない?いやいや紅姫の方がピーが多いでしょ!
という意地汚いやり取りから、柿ピーの内容量の調査に乗り出し、その誤差はわずか0.5g前後だったことを突き止めた。
その様子は「柿の種徹底リサーチ!」に詳しく掲載しているので読んでね。
そしてさらに、柿ピーの重さを正確に計量している会社が、なんと京都に本社を持つ「株式会社イシダ」であることも判明。
やっぱ、それ生で見たいよね。興味本位だったとしてもね。
という感じで、株式会社イシダ(以下:イシダ)にアポイントを取ってみたところ、なんと快諾。
世界に羽ばたく会社は、やっぱ懐も大きかった。今回は、滋賀の栗東にある滋賀事業所で工場見学だ!
イシダってどんな会社?
創業は1893年(明治26年)。
2019年には創業126年を迎え、食品の計量機械では国内でも最も歴史のあるメーカーであり、食品加工での計量ラインのシェアは国内80%を誇る大企業です。
そんなイシダが世界に名を轟かせるようになったのは、1972年に開発された「組み合わせ計量機」。
「組み合わせ計量機」 の何がすごいのかを、開発のきっかけとなったピーマンで説明します。
ピーマンは天然の野菜なので、個々で重さが違います。
そんな重さの違うピーマンを組み合わせ、指定の重さを導き出せることです。
通常ピーマンは150g/1袋に決められています。
そこで計量機を150gに設定すれば、10数個のピーマンの中から150gにいちばん近くなる組み合わせを選んでくれて下の包装機に落ちます。
ですからスーパーで売られているピーマンは4個入りも5個入りも、またまた6個入でも全て同じ150gなのです。
(画像:株式会社イシダ公式サイトより)
人間が手でやろうとすると、何分かかるか分からない非効率な作業を、イシダの組み合わせ計量機ならわずか0.5秒かからない!
現場での作業効率を大幅に向上させただけでなく、歩留まりの大幅向上を実現した、夢のマシンが「組み合わせ計量機」であり、今やその技術は、はかりの世界では世界標準となっているそう。
そんな計量機開発の技術力を武器に、医療・医薬などの分野に進出中のグローバル企業です。
イシダの機械ってホントに店舗にあるの?リアル店舗を調査せよ
イシダの工場を見学する前に、実際に利用している店舗で使っているところを、私「紅姫」が実際に見せてもらうことにしました。
紹介してもらったのは、なんと誰もが知っている京都銀閣寺に本店を構え、京都を中心に大阪、滋賀にも多くの店舗を出店され、今では海外にまで国産牛を輸入しグローバルに展開されている「銀閣寺大西」さん!
お客さんの注文を受けるカウンターにある、ディスプレイの大きなはかりはイシダ製とのこと。
店頭型対面用の計量機「UNI-9」という名前なので、スタッフも人も「ユニナイン」と愛称で呼んでいました。
画面が大きいからめっちゃ見やすい。
右のディスプレイで、あらかじめ商品を選択しておいたお肉の種類や価格を選択。
青い部分(計量部)にトレイごとお肉を置くと、機械の中に自動的にスライドして、上段でパックされて出てきました!
勿論トレイの重さは自動的にマイナスしてくれます。
トレイの肉を計量し、自動でパックして、値段を計算したラベルを貼るまでが一連の流れになっているから、衛生的でスピーディ。
計量して値段を貼るまで、機械が自動で行っているので、もし店長さんやスタッフさんが悪いことを考えてもズルできないわ…と思いました。(←銀閣寺大西の方は、そんなことしません!)。
イシダの滋賀事業所に訪問!工場見学で驚愕の技術を目の当たりに
やってきました、イシダの滋賀事業所!
大きい~、広~い。きれ~い。
入り口を入ると、なんか超カッコいい大型パネルがバーン!と貼ってあります。
イシダさんのパネルをナニコレカッコイイ~なんて眺めていると、「これはイシダを代表するCCWシリーズを上から撮影したものなんですよ。」とのお声が。
今回、滋賀事業所の工場内を案内してくれるイシダ広報室室長の三原国彰さんが登場です(以下:三原さん)。
挨拶もそこそこに、「機械遺産」の輝くプレートを持つ玄関先に飾られていたマシンに関して質問してみます。
半世紀前!?そんなに古い機械なんですか(驚)。
期待に胸を膨らませ、実際にマシンを作っている工場へ移動します。
イシダ滋賀事業所の工場では、フロアごとに役割が異なっています。
3Fは銀閣寺大西さんで見た自動で計量してパックと値付するマシンを組み立てる現場です。
各ラインで組まれたユニットを最終のメインの直線ラインで完成まで仕上げていき、最後に動きの最終確認を行います。
これは、マシンを制作する際のラインの進行状況を見るための電子ディスプレイ。
この日の制作予定は11台、そのうち9台は完成しているけれど、7分の遅れが出ているとのことだそう。
分刻みのスケジュールなら、新人さんとか作業が遅れて大変なのでは…とい思ったら、作業になれていない人には、モニターに使う機材ややり方などをすべて表示してくれます。
女の子だから特別ね♪というワケではなく、新人さんはまだ仕事に不慣れなので、この親切仕様で仕事をしてもらっているそう。
作業に慣れてくると、ひとりで任される仕事なども担当するようになります。
(お仕事は一生懸命。でも声をかけると、笑顔を向けてくれるのがうれしかった♪)
重い荷物を運ぶときは、彼をよんで助けてもらうそうだ。(ちょっと上に乗っかってみたかった…)
120kgまで引っ張ってくれます。
2Fは異物検査などを行う機械を製作するフロア。
組みあがった機械が正常に作動するかも一緒に確認します。
検査に使用される異物は、目で判別するのが難しいような小さいモノもありました。
最後のフロア1Fへ到着!1Fはイシダを代表する組み合わせ計量機、CCWシリーズを作成していたり、大型の機械を作成していたりします。
ベースとなるマシンはあるものの、基本的にはお客に合わせて細かなオーダーメイドで仕上げられるというから驚きです。近隣の関連工場にパーツの制作をお願いし、この工場で動作確認を行います。
しかし、せっかく汲み上げた機械も、大きな場合は再びまたバラバラにして、お客様のところで完成させるのだという。
数百万から数千万円にもなる機械ですからね。お客様にとっても大きな買い物ですし、満足してもらうためには、細心の注意を払っています。
納品を待つ機械たち。
えっ、ここもイシダの機械を?えっ、あそこも?というぐらい、そのあて先は、子どもでも名前を知っているような有名菓子メーカーや、スーパーが記載されていました。
まとめ
(画像:株式会社イシダ公式サイトより)
(ポテトチップスが出来るまで)
ポテチを供給機に投入すれば、計量、包装、異物検査、重量検査、箱詰め、段積みに至るまでを全てイシダの機械により全自動で行えます。ポテチだったたら120袋/分出来ますから1分間で10箱完成する計算ですね。
上の図にある機械は、全部イシダで製造することが可能であり、実際にコスト削減や時間短縮に役立ったとしておおいに喜ばれているそうです。また故障した場合も全てイシダでメンテナンスができます。
しかも、私の柿ピー少なくない?いや、僕の方が少なくないですか?なんて、私・紅姫と黒兵衛の些細なケンカも、イシダさんの機械があればもう大丈夫!家庭から争いをなくしているといっても過言ではない(はず)のです。
その技術は海外にも必要とされ、現在は100か国以上で事業を展開中。はかりだけじゃない魅力あふれる、グローバルな企業でした。
会社名 | 株式会社イシダ |
住所 |
〒606-8392 京都市左京区聖護院山王町44番地 |
代表取締役社長 | 石田隆英 |
資本金 | 9963万円 |
事業内容 |
「計量」「包装」「検査」「表示」「情報」 技術をコアとして、世界の食品・流通業界向けにモノと情報の流れを制御する多彩な機器やシステムの開発・製造・販売 |
公式ホームページ | 株式会社イシダ HP |
この記事を書いた人: 京トーク編集部
京トーク編集部です。
大好きな京都で生活をし、京都に住んでいる人や京都を訪れる人に、もっと京都を楽しんでほしい!と思い、日々記事を更新。
チームの仲間たちと共に京都の魅力を発信していきます!
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