京都精華大学出身の絵師さんにきく!絵を描くポイント
京トークメンバーの似顔絵を描いてくださった絵師の朝日さん。
いろんなジャンルの絵を描くことができ、クオリティがすごいんです!
今回、そんな朝日さんに、絵の描き方のポイントを教えてもらいました!
絵をかくのが好きな方、必見です!
絵師 朝日さん自己紹介
私が絵に興味を持ち出したのは小学1年生の頃です。
仲が良い兄が小学6年生のときに、漫画家を目指していて、その影響で、私も絵を描くようになりました。
一番初めはアニメなどのキャラクター図鑑の本に上から透き通る紙を本に貼って輪郭線をなぞる、という事を繰り返していました。
そこからしばらくして、自力で絵を見ながら紙に描くという事をやり始めました。
そのころは、男の子の遊びを沢山してたので、カードゲームなどに描かれてるモンスターを描き写したりしていました。
そうしていくうちに、絵を描くことがどんどん好きになっていったんです。
兄が美術高校に入ったので、私も一緒のところに入りたいと思い、本格的に絵の勉強をするようになりました。
ですが、残念なことに同じ高校には受からず、別の普通高校に入りました。
そして大学受験の時期になり、兄がそのまま美術大学へ進学し、次こそはと思い、私も同じ美術大学へ受験し、無事合格しました。
私は日本画を専攻し、絵の基礎となるデッサン(物の質感や、立体感、物体にできる光の構造を勉強するもの)や日本画で扱う道具や絵の具の使い方を4年間勉強しました。
今はフリーターとして生活していますが、正直なところ将来的にお金を稼ぐという事を考えると、両親に行きたいからというので高い学費を出していただき、その恩返しという意味でも私の学んだものを生かすためにも絵の仕事をしっかり持って生活していきたいという想いはあります。
そして、私の絵を知ってもらって少しでも喜んでもらえる人が増える事が多くなることが私の願いでもあります。
【羊の絵】点描画
1枚目は年賀状を作るために書いたものです。
この時は羊年でした。
この絵は点描画という技法を使っています。
始めにモチーフ(題材)の下書きを鉛筆で薄く描きます。
そして一番暗いところを濃く塗り、あとは輪郭線、薄い影を全て「点」で仕上げていきます。
この絵の場合は筆ペンを使っているので押し付けすぎず軽く、点を作っていくのが特徴です。
赤ちゃんのほっぺたを優しく触る感じで紙に筆ペンを当てる作業を繰り返すだけです。
【鶏の絵】水彩絵の具
2枚目も年賀状のための作画です。
この時は酉年でした。
材料としては水彩絵の具です。私が小学校の頃図画工作の時間に使ってた水彩絵の具を使用しています。
この絵も羊の絵と同様に最初は鉛筆で下書きします。
その後に絵の具を使っているんですが、水彩絵の具は使い方が難しく、感じのごとく水で絵の具を溶かして色を塗るのですが、この工程で水の分量を間違えると水が少ないとガサガサになったり、水が多いと紙がふやけて破れてしまったり。。
分量としては絵の具と水が4:6の比率で混ぜるとなおいいです。
比率が難しい方は紙に人塗りしてみてください。
ムラなく、紙もふやけることなく綺麗に塗れます。
が、しかし、水を含んでるため、しっかり乾かしてから上から塗ることが重要です。
色を濃くしようとする人が多いのですが、塗ってすぐは色は混ざりますか、水分を多く含んでるため、二度目に塗る場合はある程度乾いた状態で上から塗ると綺麗に色を重ねることができます。
水彩絵の具は色を重ねていくことで濃い色も出ますし綺麗に塗れるのがいいところです。
使い勝手によっちゃムラやガサつきを絵で表現してる人は様々いるようでそこは本人の脳の感覚次第というところですね。笑
【京トーク似顔絵】色鉛筆
3枚目は京トークさんからのご依頼の絵です
これは色鉛筆を使用しています。
水彩絵の具、筆ペンと違って水を含んでない分がっつり色を塗れるところと、消せるので修正が利けるところですね。
これも重ねていくことで、色も出るのですが、よくネットとかですごく綺麗な色出してる人いますよね?
私が今まで描いててわかったことが一つあって、色を重ねて塗って綺麗に出したいのであれば、「薄く塗る」というのがコツになってきます。
例えば赤色を塗りたいとなった時はがっつり赤色一本だけ使って強く塗るのでもいいですが、赤色にも様々な色がありますよね?
私のこだわりとして、紅色だったり、ワイン色だったり、そんな色を出したい時は、赤以外になに色が混ざってるのかというのを考えてその色を全部混ぜるためにベースの赤色を薄く塗ってその後に他の色も薄く塗ります。
そうすればがっつり赤、以外にもいろんな赤の色が映えてきます。
色での技法といえば、「補色」です。
中学の時に色の円というものを見たことはありますか?
正反対に位置する関係の組み合わせですね。
いわゆる反対色です。
私はそれを使って影を塗ったり物、人の表面を塗ったりしています。
あとは色を「作っています」。
何かと言うと例えば緑を塗る時にがっつり緑の色鉛筆を使うんではなく、黄色と青色を塗り重ねています。
私は結構こだわるタイプなので、時間をかけずに絵を描きたい方はあまりオススメはしませんがいろんな色が見えてくるのでそれが楽しいですね。
【りんごの絵】デッサン
4枚目は随分昔の絵ですが、私が大学受験のために画塾(絵の塾)似通ってた時のものです(高3の梅雨頃)。
課題で、りんごを描く、ただそれだけでした。
2個描かれているのがわかると思いますが、これは手前と奥のりんごをどれだけ表現できるかというものです。
これはデッサンといって、鉛筆と消しゴムのみで表現しているものですが、これを説明するのには長くなるので簡単にまとめると、物体に対しての影、光、模様、物の中身それをどこまで表現できるのかというところです。
技法といいますか、この絵では鉛筆はH系〜B系の鉛筆を約計10本の数の鉛筆を使ってます。
一般的に使われる鉛筆の濃さは2BやHBだと思いますが、芸大生が使うものは6B、7B、6H、5H、F、など濃さの幅が広い鉛筆を使ってます。
なぜこんなにもたくさんの濃さの鉛筆を使うのか。
実は鉛筆の濃さには
Hの意味は「heard」硬い
B「black」黒い(濃い)
F「firm」(ファーム)しっかりした
という意味があります。
例えば硬いものを表現したい時はH系、黒くて柔らかいものを表現したい時はB系と、モチーフ(題材)によって使い分けることでそのものを表現できるからです。
もう一つ、絵を描くにあたって使い勝手がいいものが「練り消し」です。
知ってる人もいるかもしれませんね。
消しゴムと似たものなのですがそれとは少し違って、とても柔らかいもので、消しゴムはしっかり線を消しますが、練り消しは薄く消すことができるので少し修正したい時にぼかしを入れることができます。
練り消しを使うことでよりリアルなものに近づけることができる必須アイテムです。
鉛筆も練り消しも画材屋さんで売ってるので是非見てください。
さいごに
絵を描くといっても、様々な技法があるんですね!
深い…
朝日さんは、いろんなタッチの絵を描くことができるので、朝日さんに似顔絵や絵の依頼をしたい方は、京トーク編集部までご連絡ください!
この記事を書いた人: 京トーク編集部
京トーク編集部です。
大好きな京都で生活をし、京都に住んでいる人や京都を訪れる人に、もっと京都を楽しんでほしい!と思い、日々記事を更新。
チームの仲間たちと共に京都の魅力を発信していきます!
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