~仕事の流儀①~プロのライターに学ぶ!取材前の心得
私たち京トーク編集部は、ライター未経験の学生が集まって記事を書いています。
記事にもいろんな種類がありますが、一番難しいのが、そう取材!
そこで今回、プロのWEBライターKさんから、取材に関してのアレコレを教えてもらうことになりました。
実際に聞いた内容を、簡単にここでも紹介したいと思います。
まず認識を改める。取材対象は喜んでいるとは限らない
今回、取材に関しての心得をレクチャーしてくれるのは、ライターとしてキャリア27年のKさん。WEBライターとしてはもちろん、紙媒体やラジオ・テレビなどの構成も手掛けてきた人なのだそうです。
「取材を申し込んで、受けてもらえたら、相手も喜んで取材に対応してくれると思いますよね?それは間違いですよ」
まずガツンとやられてしまいました…。
人気のお店や、有名な人ほど、取材に時間を取られるのは面倒だけど、宣伝になるから…と思って受けてくれるのだそう。取材は基本、こちらから申し込んでいるので“させてもらう”になります。
しかしこれも、“取材させてやった”となるのか、“取材に来てもらってよかった”となるかは、インタビュアーの力量次第なのだそうです。
次から、取材に関しての事前準備や、取材当日に関してのコツなどを記載していきます。
それ以上なにを聞くことある?というぐらいまでリサーチする
取材に行く前に、取材対象に関してリサーチをするのは当たり前です。ネットで拾える情報は公式サイトからSNSまでくまなく調べ、関連書籍があればしっかりと読み、ノートにびっしりと予備知識を書き込んでから、取材に臨みます。
ノートの使い方に関しても、片方はリサーチ結果をびっしりと書き込み、もう片方に当日話を伺った内容などを書くなど、見開きでの使用がおすすめです。
決して、真っ白なノートで取材に臨んではいけません!もうそのリサーチだけで、記事が書けるぐらい行うことが理想です。
相手の状況をしっかりと予測して準備をする
今回の講義を受ける前、Kさんから条件を提示されました。
「毎日行列の絶えない、人気ラーメン店に取材に行くとして、カメラ以外の必要なものを準備してください。」
なぜこんな条件を提示されたのかというと、取材は必ず室内の、デスクのある場所で、座った状態で落ち着いて話を伺えるとは限らないからです。
人気のラーメン店であれば、お客さんはひっきりなしです。取材の時、お客さんの邪魔にならない店の裏や、時には道路上で行われることもあります。
相手の状況を考え、取材の道具を準備することが必要です。
分からないことを質問するだけ…は取材としてNG
ある程度リサーチをして、面白いと思ったうえで取材を申し込んでいるので、欲しいネタはすでにある状態です。
しかし、単にネタになりそうなことを質問して、それに答えてもらうだけ…なら、実際に取材に行かなくてもできます。事前に質問シートを送って、それに答えてもらえば済みます。
相手の情報を分かっている上で、さらにそれ以上の内容を引き出すのが取材の意義です。つまり、自分の知識に、相手の専門知識や思いを上乗せして、より重要な情報や面白い話を聞きだすことが必要です。
取材は相手のあることですので、対応してくれる人のモチベーションをあげることがとても大切。会話の中で、「あ、この人は何も知らないし、何しに来たんだろ?」と思わせてしまったら、もうその取材は失敗といって良いでしょう。
あなたにインタビューするために、私はこんな風に勉強してきました。そのうえで、あなたの経験や知識を必要としていますと、しっかりと伝わるようにしてください。
ICレコーダーなどは無断で使用しない。でも取材が終わっても切らない
基本的に、取材の時には話をした内容を忘れないように、ICレコーダーやスマホで録音をする人がほとんどです。なので、取材に行っても、録音することを断られることはほぼありません。
しかし、ここで大事なのは、無断で録音をしないようにすること。相手の承諾を得ないと、それは盗聴のようなものです。録音していると判明したときに、とても嫌な気分にさせてしまいます。
録音をすること、その録音は自分が原稿を作成するため、音声は誰かにきかせたり、公開したりは決してしないということを伝えましょう。
さらに大事なのが、取材が終わってもその録音を切らないこと!取材が終わってホッとしたときに、雑談のように話をした内容が、実は取材したときよりも本音であったり、面白かったりすることが多々あるからです。
取材中はメモを取らない
取材用ノートの使い方として、片方はリサーチをした内容を、もう片方には取材の時に聞いた内容をメモする・・・と言いましたが、基本的に取材中はメモを取らないようにします。
ノートに書いている時間は、相手にとっては手持ち無沙汰な時間です。話が持ち上がってきたのに、メモを取っていたら、せっかくの話に水を差すことになります。
録音しているのが心配な人は、ICレコーダーやスマホなど、いくつもの機械で録音すればいいだけです。必ず相手に視線を合わせ、水を差すことがないようにします。
ノートに書くのは、リサーチとの変更点だけにとどめましょう。
相手に気持ちよく話をさせる
取材に言っているということは、こちらとしても聞きたい内容があります。しかし、自分の聞きたい内容だけを聞くような取材は、当たり前の話しか聞けず、原稿にした時にもつまらない内容になってしまいます。
まずは相手に気持ちよく話をさせ、話が完結したときなどに、自分の聞きたい内容を改めて聞くようにします。質問したい内容を気にするあまり、話の腰を折らないようにしましょう。
取材の時に話がはずめば、自分が想定していた以上に面白い記事を作ることができるはずです。
話を聞く順番にも要注意
取材に行った際には、まずどんな趣旨で取材に来たのかを伝える必要があります。伝えたら、相手が想定している質問をまず投げかけましょう。
取材は申し込んでから当日になるまで、必ず数日の猶予があります。その間に、取材相手も、こんなことを話そう、あれを話したらいいかな…なんて、考えてくれていることが多いです。
その話ができないと、なんだか話足りないような、ちゃんと伝えられていないような気持になってしまいます。
相手が用意してくれた答えを聞き、その話からもっと発展させ、時には雑談を盛り込み、基本情報などを確認して〆る。この流れが理想的です。
自分の見た目も武器にする
取材は一種のプレゼンであり、双方向のコミュニケーションです。なので、内容ももちろん大事ですが、向こうから自分がどう見えるかを考え、その見え方も利用することが大切です。
性格がきつそうに見えるのなら、ゆったりとした話し方を意識する、頼りがいのありそうな恰幅をしているのなら、包容力のあるイメージを意識する。相手からの印象が良ければ、話しやすい雰囲気になります。
話下手や、何を質問して良いのか途中でわからなくなってしまっても、良い笑顔だな、一生懸命に話を聞いているなと思われれば、取材で悪い印象にはなりません。
自分の持てるものすべてを武器にして、取材を進めていきましょう。
臨機応変は周到な準備の上にある
ひと言で「取材」と言っても、行く場所も、取材対象者も、インタビュアーも異なれば、同じようにできるとは限りません。
すべてはその場で臨機応変に対応する必要があります。しかし、その臨機応変な対応は、その人の経験や準備によってできるもの。全く準備などをしていなければ、何が臨機応変な対応かすらわからないからです。
まとめ
今回は、取材前の心得をご紹介しましたが、どんな場合でも共通して言えることがあります。
それは、取材した人に楽しかった、有意義な時間だったと思ってもらうことです。
技術的に拙くても、進行がうまくいかなくても、楽しかったと思ってもらえる取材を心掛けましょう。
この記事を書いた人: 京トーク編集部
京トーク編集部です。
大好きな京都で生活をし、京都に住んでいる人や京都を訪れる人に、もっと京都を楽しんでほしい!と思い、日々記事を更新。
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