京都三大祭のひとつ「時代祭」をご紹介!
時代祭といえば、祇園祭や葵祭とともに京都三大祭と言われています。
しかし、7月の祇園祭、5月の葵祭に比べ、時代祭はよく知らない方も多いのではないでしょうか?
今回は、10月に行われる時代祭を紹介したいと思います!
(トップの写真は@kyoto__guideさんからご提供いただきました。)
時代祭ってなに?
時代祭は、平安神宮のお祭りです。
平安京遷都1100年を記念して1895年に始まりました。
1895年の秋に、平安京遷都1100年の記念祭と式典が開催され、その最終日に、都の1000年を2時間ほどで振り返る「時代風俗行列」が行われました。
この時代風俗行列が時代祭のもとになっています。
時代風俗行列とは
写真提供:@kyoto__guideさん
時代祭のメインである時代風俗行列は、明治維新から始まり、次いで江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と8つの時代を20の列、牛や馬を含む総勢約2000名で構成され、その長さは約2kmにもなります。
みなさんご存じの西郷隆盛や織田信長、紫式部なども登場しますよ!
また、時代風俗行列は、京都が培ってきた伝統工芸技術を動く歴史風俗絵巻として披露する役割も担っています。
そのため、各時代行列に使用する衣裳や祭具は、厳密な時代考証に基づいて作製されています。
ぜひ注目してみてくださいね!
時代・行列一覧
時代風俗行列は、明治維新時代から始まる8つの時代を20の列で構成しています。具体的には以下の通りです。
明治維新時代
維新勤王隊列(いしんきんのうたいれつ)
維新志士列(いしんししれつ)
江戸時代
徳川城使上洛列(とくがわじょうしじょうらくれつ)
江戸時代婦人列(えどじだいふじんれつ)
安土桃山時代
豊公参朝列(ほうこうさんちょうれつ)
織田公上洛列(おだこうじょうらくれつ)
室町時代
室町幕府執政列(むろまちばくふしっせいれつ)
室町洛中風俗列(むろまちらくちゅうふうぞくれつ)
吉野時代
楠公上洛列(なんこうじょうらくれつ)
中世婦人列(ちゅうせいふじんれつ)
鎌倉時代
城南流鏑馬列(じょうなんやぶさめれつ)
藤原時代
藤原公卿参朝列(ふじわらくぎょうさんちょうれつ)
平安時代婦人列(へいあんじだいふじんれつ)
延暦時代
延暦武官行進列(えんりゃくぶかんこうしんれつ)
延暦文官参朝列(えんりゃくもんがんさんちょうれつ)
神饌講社列(しんせんこうしゃれつ)
前列(ぜんれつ)
神幸列(しんこうれつ)
白川女献花列(しらかわめけんかれつ)
弓箭組列(きゅうせんくみれつ)
行列を楽しむためのプチ情報~行列の紹介~
ここからは、きっとみなさんが楽しんで見ることができる行列を紹介します!
行列には、みなさんもご存じの有名人が登場するので、知っている歴史上の人物を探しながら見ると面白いと思います!
維新志士列(明治維新時代)
明治維新の志士と呼ばれる歴史上の人物がたくさん登場します。
■桂小五郎(かつらこごろう)〈1833-1877〉
後の木戸孝允。西郷隆盛、大久保利通とともに維新三傑と称せられた長州藩士です。
■西郷吉之助(さいごうきちのすけ)〈1828-1877〉
後の西郷隆盛。坂本龍馬の仲介で薩長同盟を結び、江戸城の無血開城でも知られる薩摩藩士です。
■坂本龍馬(さかもとりょうま)〈1836-1867〉
土佐藩出身。薩長同盟の成立や、大政奉還の立役者となりましたが、京都で暗殺されてしまいました。
■中岡慎太郎(なかおかしんたろう)〈1838-1867〉
同郷の坂本龍馬とともに維新に奔走しましたが、龍馬とともに暗殺されてしまいました。
■高杉晋作(たかすぎしんさく)〈1839-1867〉
長州藩士。「奇兵隊」を創設して活躍しました。藩を討幕に導きましたが、維新を前に病死してしまいました。
■吉田松陰(よしだしょういん)〈1830-1859〉
長州藩士。萩の松下村塾で高杉晋作、伊藤博文ら多くの秀才を教育しました。幕府を批判したため、安政の大獄で処刑されています。
織田公上洛列(安土桃山時代)
■織田信長(おだのぶなが)〈1534-1582〉
室町幕府を滅ぼし、天下統一へ突き進みましたが、本能寺の変で明智光秀に討たれました。
■羽柴秀吉(はしばひでよし)〈1537-1598〉
後の豊臣秀吉。織田信長に仕えて頭角を現し、天下統一を果たしました。
中世婦人列(吉野時代)
この列は、女性がたくさん登場します。歴史上の人物だけではなく、職業集団ともいえる女性も加わっているのがポイントです。
■淀君(よどぎみ)〈1569-1615〉
豊臣秀吉の側室。秀吉の没後は大坂城で実権を握りましたが、大坂夏の陣で落城の際、自刃しました。
■静御前(しずかごぜん)〈生没年不詳〉
源義経の側女。能の「吉野静」「二人静」などの題材となった人物です。
■大原女(おはらめ)
洛北・大原の女性は、大原女として、薪や炭などを頭に乗せて京の町へ行商に出ていました。次の桂女と一緒に歴史の授業で覚えた方も多いのではないでしょうか?
■桂女(かつらめ)
桂川を超えて、鮎を売りに京の町に来る女性の商人です。巫女の一種でもあり、婚礼や出産など、家の祝い事に訪れることもありました。
平安時代婦人列(藤原時代)
400年も続いた平安時代における女性風俗の変遷を表したものです。この行列もたくさんの女性が登場します。
■紫式部(むらさきしきぶ)〈生没年不詳〉
「源氏物語」の著者として知られています。中宮彰子に仕え、「紫式部日記」「紫式部集」も残しました。
■清少納言(せいしょうなごん)〈生没年不詳〉
平安中期の随筆家・歌人。和漢の学問に通じ、「枕草子」の著者として知られています。
■小野小町(おののこまち)〈生没年不詳〉
才色兼備の女流歌人で、絶世の美女だったと言われています。六歌仙・三十六歌仙の一人でもあり、さまざまな伝説を持っています。
■巴御前(ともえごぜん)〈生没年不詳〉
源義仲の側女で、女武将として義仲と供に戦いました。
神幸列(延暦時代)
この列は、有名人が登場するわけではなく、ご祭神をのせた神輿(御鳳輦(ごほうれん)といいます)を中心とした列です。
先に進む御鳳輦が孝明天皇、後の御鳳輦が桓武天皇です。
こうしてご祭神が一年に一度、京都市内を巡ることで、市民の安らかな様子をご覧になるのが時代祭なのです。
他の行列が注目されがちですが、実はこの神幸列が時代祭の中で最も大事な意味を持つ列です。
時代祭はいつ?どこでやっているの?
時代祭は、例年10月22日です(正確には、前後に前日祭や後日祭も行われます)。
10月22日は、桓武天皇が794年に長岡京から平安京に都を移した日で、「京都の誕生日」と言われています。
しかし、今年(2019年)は26日(雨天順延)に開催なので、要注意です。
時代風俗行列は昼の12時に京都御所を出発します。
烏丸通を南下して、御池通を東に進みます。
河原町通まできたら、三条通まで南下し、三条通を神宮道まで進みます。
神宮道を北上、平安神宮まで続きます。
平安神宮には14時30分に到着です。
有料観覧席は3ヶ所あり、一席2500円です。
・京都御苑席(建礼門前南側)
・御池通席(寺町通~烏丸通 南北両側)
・平安神宮道席(冷泉通~大鳥居 東西両側)
もちろん行列はルート上なら色々なところから見ることができますが、全部見ようと思うと2時間以上もあり、立って見るのはしんどいと思います。
有料観覧席を買ってゆっくり楽しむのも良いかもしれませんね!
有料観覧席以外だと、河原町御池の交差点の付近には有料観覧席がないため、早めに行けばよい位置がとれる可能性があります。
また、神宮道では道幅が狭いため近くで見られたり、烏丸御池交差点のあたりでは行列が辻回しで止まるため、ゆっくりみられたりします。
どんな風に楽しみたいかで観覧スポットを検討するのがおすすめです。
まとめ
時代祭は、京都の秋を代表するお祭りです。
一生に一度はゆっくり楽しんでみたいものですね!
この記事を書いた人: 水英
【みえい】物語とバイク、革製品、化粧品がすき。水色やオレンジがすきだけど、フューシャピンクって名前が可愛くていいかも。カメラも自転車も旅行もすき。マイペースな自由人。
コメントする