常に革新的な技術を開発し“はかり”から世界へ羽ばたく
[イシダ]
食品業界の中で知らない人はいない、「はかり」といえば必ず名前が挙げられる――。
株式会社イシダは、「組み合わせ計量機」など、食品業界に革新的な技術革命をもたらし、「はかりのイシダ」と呼ばれる歴史ある企業です。
しかし、裏を返せば「知っている人は知っている」企業でもあるということ。そんな秘密のベールを探るべく、実際に働いている人にインタビューを敢行!
24もある開発部の中で、計量開発一課に所属するエース・古川拓磨さん、海外営業課アジア部で海外を飛び回る藤岡桃子さん、システムエンジニアとして「物流」システムを担当する川口晶大さんに、お話を聞くことができました。
イシダの技術はコレという基準となる機械を作るのが開発の仕事です
古川拓磨さん:計量開発一課所属
出身大学には1番の成績で入学すると決意し、それを実現!
大学時代は「振動」に関して研究し、イシダでも「振動」に関して担当する稀有な人。
イシダではバレーボール部に所属し、体を動かすのが得意。
スポーツの中でもスノーボードが好きで、シーズンになると毎週のようにゲレンデに繰り出す。
スノボのために買った車は4WDのSUV。
古川さんは開発部に所属していると伺いましたが、何を開発しているのかなど、詳しく教えてもらえますか?
担当しているのは、CCWと呼ばれるイシダを代表する「組み合わせ計量機」の、次世代機です。
その中で、振動でモノを分散させる装置があるんですけど、その装置の開発をメインに担当しています。
(画像:公式サイトより引用)
振動?分散させる時に振動が必要なんですか?
組み合わせ計量機の仕組みをざっくりいうと、例えば1袋に60グラムのポテトチップスを生産する場合に、その60グラムを計る機械なんですね。
計る時には、円状に配置された複数のホッパ(はかり)の中にポテトチップスを適当な量入れて、その重さを何カ所か組み合わせると、欲しい重さを作り上げることができるんです。
中央に投入されるポテトチップスをそのホッパ(はかり)の中に、ばらけさせて入れる必要があるんですが、そのばらけさせる装置を開発しているという感じですね。
おぉ!分かりやすい。
ポテトチップスであれば、振動が小さくてもばらけてくれますが、それが重いものや付着性の高いもの、例えば野菜だったり肉だったりすると、大きな振動を与えないとダメですよね。
お客さんによって、CCWの使い道は異なるんですけど、すべての商品に対応できる振動装置を開発するのが私の仕事なんですよ。
えぇ、古川さんが開発した装置が、すべてのCCWの基準ってことですよね!しかも、CCWの次世代機って言うことは、それがイシダのベーシックになるワケですよね。超プレッシャーじゃないですか?
いま開発しているものが、いろんなものに対してどれくらい有効なのか…。それを考えるのは本当に難しいです。
実際に機械が使われる状況を再現して検証するのが困難な場合も多々あります。
検証や試行錯誤を繰り返して、正確な製品を作り上げていくのはプレッシャーも感じますけど、面白さでもありますね。
古川さんが開発しているのは、組み合わせ計量機のほんの一部分ですよね?他の人が開発している部品と組み合わさった時、うまく自分の装置が動かない…なんてこともあるんですか?
もし不具合があったとしても、どこに繋がっているのか、どんな影響を与え合っているかは、すぐに分かる状態なんです。私が振動の検証をしている隣で、計量の検証をしている者がいたりしますからね。
計量開発一課には、メカ設計者だけで8人、そのほかに電気ソフトの担当者などもいるのですが、分からないことや疑問に思ったことは、その都度周りに相談できますし、思いついたことを試させてもらえる空気感もあります。
自分で考えた上でのものづくりができる、そういう環境なので仕事はしやすいですよ。
イシダさんで開発をしたいと思っているとして、どんな人が向いてますか?
次世代機の開発に関しては、営業部から要望が来たりすることもあるんですけど、お客様のこんな要望があったから仕様変更してほしいとか、開発の仕事ってそれだけじゃないんです。
営業やお客様も気付いていない要望を実現するようなテーマに取り組み、そのテーマをどうすればクリアできるのか、自分で考えて進めていくことが多いんです。
だから、自分で考えないと進められない。しかも、すぐにこんなのできました!みたいな、簡単にはいかないことがほとんどです。試行錯誤しながら、自分の中で答えにたどり着いていく感じですね。
1年ぐらいで開発が終わるものもあれば、入社してからずっと試行錯誤しているものもあります。自分で考えて、自分で決断して、少しずつ前に進んでいく。そんな人は、イシダの開発に向いていると思いますよ。
イシダのブランド力を武器に文化も言語も違う人たちと製品を作り上げていく喜びがある
藤岡桃子さん:海外営業課アジア部に所属
TOEIC900点超えの才女であり、特技は空手。
日本の温泉旅館が好きで、冬はカニを食べに旅行するそう。
アジアには学生時代に行ったインターンがきっかけで興味を持つ。
会社の偉い人を笑顔で懐柔する技を持っている(広報談・本人は無自覚)。
まずはお仕事の内容から教えていただけますか?
引き合い(取引の前段階の問合のこと)を頂戴してから、仕様の調整、受注してその機械を収めて回収するまでの一連の流れを担当しています。
イシダは基本的に、受注生産のオーダーメイドで機械を作っていますから、現地の子会社や代理店と一緒に、お客様が満足していただけるよう細やかに調整をして行きます。
海外事業部の方は、みなさんどんな国を担当していらっしゃるんですか?
私が担当しているのは、海外の中でも東南アジアを中心に、ベトナムやフィリピン、タイやインドなどです。
他には、アフリカまでを含めたヨーロッパ部、南アメリアやオーストラリアを含めた米豪部があります。
他のエリアに比べると、アジア部は担当しているエリアが狭く感じるかも知れませんが、これから発展していく多くの国が集まっているので、細かな対応を求められることも多いんですよ。
こんなことを聞くのは失礼かもしれませんが、はかりの企業って海外にも数多くあると思うんです。敢えて、日本のイシダに注文が来るのはなぜでしょうか?
まずは、メイドインジャパンであること。日本製品への信頼性の高さですね。
そんな日本の中でも、はかりメーカーとしてイシダは歴史が長いので、安心して任せていただけるという、イシダのブランド力があると思います。
それに、外国の方がメイドインジャパンを求めたとしても、拠点が現地にない場合も多いんですよ。でもイシダは、各国に完全子会社の拠点がありますし、日本からの駐在員もいます。
何かトラブルがあったり、もっと機械に関して細やかに相談したいと思った時、スムーズでスピーディにサポートすることができるんですね。その体制も、ご注文いただける一因と考えています。
なるほど!日本ではなく、海外で営業する楽しさはなんでしょうか?
文化や言語、年齢に性別も全く異なる、極端に行ってしまえば共通点の少ないお客様と一緒に、ゼロベースで何かを作り上げていくことですね。
外国の現地の方は、本当に熱い人が多いので、それこそケンカのようになってしまうこともあるんです。
でも、そんな紆余曲折を経て、完成した機械を工場に納品したとき、あなたをパートナーにしてよかったって言われたり、抱き合って喜んだりするんですよね。
それって、生きている中でなかなかできない経験だと思うんです。そこが楽しさであり、やりがいだと感じています。
では逆に、外国に営業するからこその難しさは?
私はもともと理系の人間でもありませんし、機械に強いというワケでもありませんでしたから、日本語で技術者に言われても良く分からないことを、英語で説明したり、プレゼンしたりすることですね。
しかも、私が担当している地域は、英語は第二言語なんです。日本も英語は第二言語ですから、どちらも母国語ではないんですよ。
だから、お互いにニュアンスが伝わらないな…と思ったり、うまく説明できないということもありますので、そこが難しいところだと思いますね。
お互いに何か違うな…と思ったままで進めてしまうと、大きなトラブルになる可能性もあります。言葉の齟齬が無いように、絵で合意はすることにしているんです。矢印を書きながらなどカンタンなものですけど、メールや電話だと、受け取られ方って結構違いますからね。
でも、外国で仕事をすればするほど、言語だけじゃない気持ちの伝え方ってすごい重要だと感じるようになったんです。相手の話にどう頷くか、どのタイミングで笑うのか。どうしたらパートナーとし認めてもらえるかをすごく考えますね。
現地の方は一緒にご飯を食べることを大事にしているので、向こうの人が出してくれたご飯であれば、お腹がいっぱいでも、好みの味じゃなくても必ず食べます(笑)。
同じアジア圏ですけど、食文化はだいぶ違うじゃないですか。困ったことはないんですか?
ベトナムの人はホビロンっていう、孵化する直前の卵を食べるんです。外側は普通のゆで卵なので、初めて勧められた時には、殻を開けた瞬間に汁とかが飛んできてびっくりしましたけどね。
ベトナムのお客様と初めて一緒にお食事をするとき、日本から来た私に絶対勧めてくるんです。お客様は、私が「キャ~」っていう反応をすると思って、密かにそれを楽しみにしているような雰囲気もあるんです(笑)。
私は、もう何度も他のお客様に勧めていただいているので知っているんですけどね。
だけど仲良くなれるチャンスですから、出てきた時には知らないふりをしてますし、きゃ~っ、これ食べれるんですか?意外とおいしいですね、いい体験ができました~っていうのが、一連の流れになってます(笑)。
海外営業には、時に演技力も必要なのですね(笑)。イシダさんで海外営業をしたいと希望している人には、どんなスキルが必要かアドバイスをお願いできますか?
持っていなくちゃいけないスキルは、実は英語力でも、理系の知識でもなくて、お客様をどうしたらハッピーにできるかを考えられる人ですね。
やっぱり、現地のお客様の要望をお伺いするのって、出張したときになってしまうので、ちょっと見失いがちになるときがあるんです。
日本に帰国して、技術者に希望を伝えても、「それは無理だね」と言われてしまうと、現地のお客様にも無理ですって答えてしまう…。
でも、それこそわざわざ日本の企業に相談してくれたお客様をがっかりさせてしまうことになりますよね。
プランAがダメならプランB、それもダメならCと、自ら考えて、行動できる人が向いているんじゃないかなって思います。
なんとかしてお客様の要望に応える、諦めない精神やホスピタリティが重要ってことですね。
そうですね。あっ、あと強靭な胃袋でしょうか。海外営業の宿命だと思うんですけど、アタる可能性が高いです。
出張に行って、お客様と約束しているのに、お腹が痛くて…なんて、自分で自分を許せなくなってしまいますから。その戦いに勝てる人ですね(笑)。
ちなみに藤岡さんは・・・?
過去に1回だけ、経験しましたけど、戦いには勝ちました(笑)。
100%ではなく120%にして要望に応えられるコミュニケーション能力が大切
川口晶大さん:SE(システムエンジニア)
大学ではアメリカンフットボール部に所属し、週6日練習とアメフト一色の学生時代過ごす。
現在もその肉体美を維持すべく、週に2~3回はジム通いをしている。
(お姫様抱っこのリクエストは随時受付中←京ワークが無理やり取り付けました・笑)
しかし、勉強家の一面もあり、最近では英会話スクールにも通い中。
海外での物流システムを構築してみたいと虎視眈々と狙っている。
川口さんはSEとお伺いしていますが、組み合わせ計量機のプログラム開発とか、ずっとパソコンに向かっているお仕事になりますよね?
いえいえ、そうじゃないんです。一般的なSEというと、デスクにずっと座ってプログラミングをしていると考える人が多いと思うんですが、イシダのSEはちょっと特殊でして。
ほとんどお客様のところに出向いているので、外出していることが多いですね。
もちろん、すべての機械をイシダ製に一気に変更してもらったらいいんでしょうけど、なかなかそれって現実的じゃないですよね。費用も莫大になってしまいますし。
いま、お客様がどのような運用をされているのか、お客様が使用しているシステムの中へイシダのシステムを組みいれた際に、ちゃんと要望に応えられるような動きができるのかを考えて、システムを設計するのがメインですね。
いわゆる、上流工程と言われる部分を担当しています。お客様と打合せや、要望に関してのヒアリングをすることが多いので、自身でプログラムを書くことはあまりないんですよ。
そうだったんですね。その中でも、川口さんは特に何を担当しているんですか?
僕が担当しているのは「物流」なんです。そのピッキング作業の支援システムを担当しています。
例えば、私がネット通販で商品を購入したとします。倉庫では発注書を見て、商品を確認して取り出し、梱包して私宛に発送してくれますよね。その、商品を確認して取り出す作業がピッキングです。
誰でも簡単にピッキングできるよう、支援するシステムですね。
開発をするときにはまったくのゼロから?
基本的にはパッケージがあって、それをお客様の要望に応えてカスタマイズする作業ですね。でも、複雑だったりすると、その開発には1年以上かかることもありますし、パッケージに近いものでも、やっぱり3か月はかかりますね。
SEの仕事としては、まずお客様に要望を聞いて、それを自社のシステムでできるかどうかのシステムを考えて、完成したものを検証して、納品し、保守にも対応する。プログラムの開発だけは、開発会社さんに依頼しているって感じですね。
お客さんからのヒアリング能力と、開発会社さんへ依頼する際の専門的知識が要求されてますよね?正反対な2つの中に入るなんて、板挟みになりそう・・・。
板挟みというより、システムと人をつなぐパイプ役だと思っているんですよ。システムが欲しいっていうお客様は、人手不足や生産性の向上といった課題を解決できればと思ってイシダに注文されますよね。
でも、その要望に応えるだけじゃなくて、自分なりになぜその問題が出たのかを考えて、こういうのはどうですか?と提案をする。
お客さんから「それ、考えてもみなかったけどいいね」って言われた時には、良し!って、心の中で思わずガッツポーズ作りますから(笑)。
それを実現するためには、開発会社さんにどれだけこちらの要望を伝えられるかも重要になってきます。専門的な質問が来ることも多いので、その対応が難しいですよね。
イシダさんのSEさんには、コミュニケーション能力が本当に重要なんですね。それ以外で、必要なことってありますか?
お客様のシステムなどの要望に関しては、SEが最終ラインだと思っているんです。
できるできないの判断や、いつできるのかという期間など、技術的な質問にはすべて応えられるように準備できることですね。
あとは、基本的は理系のスキルは必要でしょうけど、大きな声では言えませんが、僕も大学時代にすごくプログラミングを勉強していたかっていうと、アメフトばっかりしてましたから(笑)。
理系の知識は活かしたいけど、お客様と接するような仕事をしたいと考えている人には、イシダのSEはすごくおすすめだと思います。
まとめ
今回、インタビューさせていただいた3名は、みなさん同期であり、入社4年目のエース社員の方々。
職種もバラバラでしたが、共通して感じたのは「自分で考えて、行動できる自由度の高さと、それを許してくれるフォロー体制」でした。
しかも、お仕事の話を聞くと、みなさん生き生きと楽しそうに話をしてくださり、次はもっとこんなことをしたいというビジョンも明確で、これからもどんどん成長していくことを予感させてくれます。
そんな株式会社イシダは、2020年は約60名の人員募集を行うとのこと。興味のある方はぜひ応募してください。(取材日:2019年8月7日)
募集要項
募集職種 |
<事務系> <技術系> |
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雇用形態 | 正社員 |
採用人数 | 約60名 |
応募資格 | 2021年3月末までに国内外の大学院、大学、高等専門学校を卒業・修了(見込み)の方 |
給与 | 全国コース/大学院(修士)卒 241,100円~ 全国コース/大卒 220,000円~ 全国コース/高専卒 193,300円~ 地域コース/大卒 193,950円~ (2020年度予定) ※外勤職については外務手当20,000~31,000円を加算。 |
勤務時間 | <本社・支社・支店・各営業所>9:00~17:45 <滋賀営業所>8:30~17:15 |
休日 | 週休2日制、年間休日数122日 年次有給休暇、夏季・年末年始連続休暇、慶弔休暇 等 |
待遇・福利厚生 |
【制度】各種社会保険、財形貯蓄制度、退職年金制度、産前産後休暇、育児有給休暇 等 【施設】独身寮(京都、東京、滋賀 等)、保養施設(琵琶湖)、ラフォーレ倶楽部 等 【その他】クラブ活動(野球、ゴルフ、テニス、バレーボール、サッカー、ボウリング 等) |
勤務地 | 本社、滋賀事業所、東京支社、大阪支店他、全国各営業拠点、海外拠点 |
選考の流れ |
1.本サイト(京ワーク)応募フォームよりエントリー <採用についてのお問い合わせ> |
会社概要
会社名 | 株式会社イシダ |
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住所 | 〒606-8392 京都市左京区聖護院山王町44番地(本社) |
代表者 | 代表取締役社長 石田隆英 |
資本金 | 9963万円 |
従業員数 | 3,688名 (イシダ単体従業員数 1,501名 2019年6月21日時点) |
事業内容 | 「計量」「包装」「検査」「表示」「情報」 技術をコアとして、世界の食品・流通業界向けにモノと情報の 流れを制御する多彩な機器やシステムの開発・製造・販売。 |
ホームページ |
企業サイト https://www.ishida.co.jp/ww/jp/ |